2012年1月30日月曜日

思い上がるのもほどほどに

日頃、気になる言い方について。

TVのCMなどで、商品をアピールしようとしてよく出てくる言葉。
「地球にやさしい」何たらかんたら・・・車とかに多い。

こんな思い上がった言葉はないのに、感覚的にはなんとなく善の香りがして心地よく受け止めてしまう。恐ろしいね。

親や大人が、子供や初心者にやさしい態度で接するという言い方は正しい。しかし、地球にやさしいという時、地球のことをまるで人間が好き勝手にできる所有物であるかのように言う。この胡散臭さはたまらない。

そのくらい人類は自然とか、地球に対して、ゆがんだ感覚を持って接している。やさしくしないと地球はガラスのように壊れてしまうかのようだ。しかし壊れてしまうのは、やりたい放題やってきたそのつけを払うことになる人類の方である。

地球はどんな天変地異が起きようが、相変わらず地球で、そのことは変わらない。巨大隕石がぶつかろうが、放射能に汚染されようが、地球が破壊されてしまうことはない。そういう46億年の長い歴史を経ている。ただ人間が住める環境であるかどうかは保証しない。

M9の地震が起きて大津波で壊滅的な被害を被ったばかりの日本。自然の力の巨大さ、人間の(文明の)無力さを、報道映像で思い知ったはずである。この地震、地球にとってはクシャミほどのことである。地球にやさしくと言っている人間の思惑に関わりなく、地球は地球の物理で動いているだけだ。
ほんとうは、荒れ狂う自然の脅威の前で、幸運にも生きながらえているのが人類ではないだろうか。

人間のちっぽけな知力で、自然界を全部わかってしまったかのように思い、地球を守れると思うのは、救いがたい妄想と思う。こういう思い上がりの気持ちは、結局、自然を甘く見て、災害対策の甘さにつながる。

われら人間にやさしい車、われら人間にやさしい洗剤といってもらいたいものだ。


2012年1月28日土曜日

いちばんを狙うのです!

かつての民主党の看板施策の感すらあった事業仕分けで、レンホーさんの「1番でなければいけないんですか?」との発言は、流行語になりそうなくらい印象的だった。

しかし密かに思ったのは、ここは1番でなければいけないのです!とあの場で科学に携わる人間に叫んで欲しかったと思う。

2番で良いやと思うことは、10番でも20番でもいい。開発競争にやる気がないことを意味する。ま、形だけ研究を続けて少ないけどそれでも研究費がもらえればいいや・・・そんな感じになってしまう。(じっさいそういう研究者はごまんといる)

そんな研究に金を掛けをかけるのですか?
掛けるのです!
と答えてほしかったなぁ・・・

世界で一番になる情熱がなかったら、研究室の片隅で、長い実験を繰り返して、苦しい討論を経て成果を得るなんてことはない。

世 の中に便利なものが生まれたり、新しい医療が開発されたりするのは、こういう地味な研究者のおかげだ。情熱や夢がなかったら、苦しい作業を何年も何十年 も続けるはずがない。(もちろん成果を挙げることを目指さず、ただ生活の資として研究を続ける人はたくさんいる)

最近の例では、白色LEDの商品化がずいぶん照明の世界を変えつつあるし、iPS細胞の研究が再生医療などに応用展開されることを期待している。はじめは本当に地味な場所から情熱を持った人がスタートさせているはず。

少しでも進歩したい気持ちを持つ人、それを商品化したいと奔走する人、宣伝する人、そういう人がいなければ新しいことは世の中に生まれてこないし、新規事業など生まれるはずもなく、長期にわたって企業が存続することは出来ない。

技術開発に携わった頃、よく言った。
塩や砂糖を作る仕事をいまさら始めても仕方ないんだ。
便利なもの付加価値のあるものをやらなきゃしょうがない。
そこにはかならず競争相手がいる。
最初に特許をとらなければダメだ。
つまり1番になるということだ。

パフォーマンスの匂いのする事業仕分けの短い時間で、技術開発において1番になるチャンスの芽が摘まれることを危惧するのだ。また、役たたずの研究を続けて、無駄使いばかりしている研究者たちを格好よくやっつける勧善懲悪の図が、世間に受け入れられてしまうこともかなりヤバイ。マスコミが仕掛ける世間受けしやすい図に乗ってはいけない。もっと国民は賢明になるべきだ。

こういう思いは、けっきょく日本は、科学技術立国(知的財産権立国)しか道はないはずだという根底の考えがある。



2012年1月27日金曜日

微少量が全体を支配する?

前記事の地球温暖化の話で、二酸化炭素のように大気中の微量成分(360ppm程度)が、大気の気温を支配するとは考えられないと書いた。360ppmとは、100万個の大気中の分子あたり、360個ほどということだ。大雑把な言い方をすれば、1万粒の大気分子の中の3~4個という割合である。

測定された大気中の二酸化炭素濃度の増大は、NOAA マウナロア観測所のデータによれば、1960年に約320ppmで、2000年で360ppmを少し越えている。ざっと言ってしまえば、40年間で約40ppm直線的に増大している傾向を示している。1年あたり1ppmの増大ということだ。
出典:http://www.nies.go.jp/kanko/news/28/28-5/28-5-04.html

したがって、大気中の二酸化炭素の増える割合は、40年間で1万粒あたりの大気分子中で、0.4個増えたということである。 3.2個だったものが3.6個になった。

こうして噛み砕いて書いてみると、二酸化炭素の濃度の増大で(40年で1万粒あたり0.4個増える)、地球温暖化が進んで世界は破局に向かうという説が、なんだか馬鹿げて聞こえる。 あくまで感覚的なものだが、多分間違っていない。

こういう極微量成分が、全体の温度というものを支配するためには、なにか特別なクリティカルな仕組みを想定しなければ説明がつかない。化学反応の触媒のような、微量存在するだけで特異的に化学反応が速く進むようなメカニズムだ。それはなんなのだろう?そのようなものがはたして存在しているのだろうか?



2012年1月26日木曜日

じつは寒冷化が恐ろしい

この一週間ほど、こちら信州はとても冷えている。天気予報によれば全国的に厳しい寒さが襲っているとのことで、信州だけではないのだろう。

ふと地球の寒冷化が始まったら大変だろうなと想像する。
(ちなみに温暖化ではない。こちらは大変な問題ではないと思う)
作物が育たなくなる。コメ作の北限が、どんどん南下してしまう。他の穀物も同様で、これは地球規模だ。

各国は、食料の自国囲い込みをはじめるので、貧しい国は飢餓で衰退するだろうし、暖かな場所への大移動で国が崩壊してしまう可能性もある。先進国といえども、食料それにエネルギーに関してかなり困窮するはずだ。

地 球の歴史では、氷期という本当に寒い時期が10万年単位で襲ってくる。そして氷期と次の氷期の間に、間氷期という比較的暖かい時期が約1万年ある。現在は 1万年続いた間氷期の最後の際にいると言われている。氷期のはじまりは、100年後かもしれないし、10年後かもしれない。

人類の文明が築かれたのは、たかだか5000年ほどだから、文明が氷期を経験したことはない。食料の維持ができないので、結果的に人類は激減してしまう。赤道に近い比較的暖かな地方で、ほそぼそと原始的な生活を送る人類がいるような図だろうと思う。現在の文明の形態はないだろうと想像する。

グリーンランドという氷の島がある。昔は緑が生い茂る生物の住んでいる島だった。地層からその証拠が出てくる。それが現在のような寒冷化に襲われている。

自分が学生時代は、将来、地球寒冷化が問題だと騒がれていた。根本順吉氏の本などをよく読んだ。それが欧米を中心とした先進国の政治的、経済的意図から、地球の温暖化が大問題であることになってしまった。もちろんCO2排出にまつわる駆け引きがその裏にある。

正直なところ、ボクは温暖化が問題であるとは一度も思わなかった。340ppm(=0.034%)ほどのCO2の濃度が、40年間に40ppm(年に約1ppm)ほど増えようが、地球の平均気温にカタストロフィックな激変が起きるはずがない。増えれば海水に吸収されて炭酸になるだけだ。

植 物が地球上に現れる前は、酸素はなかったし、大気はCO2だらけだったのだ。海洋が出来るとともにCO2は炭酸として吸収された。また植物が吸収して、酸素を放出した。そしてCO2は激減して今の濃度でバ ランスしている。昔の地球は、CO2の温室効果ガスだらけだったので、温暖化を主張する人の言い分に従えば、むかし地球は煮えたぎっていたはずだ。むろん 植物は発生できなかったはずだ。

温度が上昇するからCO2が増えるのであって(海水からの溶存CO2の放出)、CO2が 増えたから温室効果ガスで気温が上がるわけではない。温室効果による気温の上昇を主張するのなら、水蒸気の問題を考慮しなければおかしい。CO2悪玉説では、なぜか水蒸気がないかのような議論がなされる。水蒸気こそいりばん大量に大気中に存在しており、熱の閉じ込め効果も大きい。雲がたくさんで きるか、晴天が多いかにより気温はかなり変化する。

たぶん気温の上昇は、太陽活動の変動による放射線の増減で、雲量の変化が引き起こしていると言われている。太陽活動は、黒点の数に現れるので、地球の気温は黒点の数と、強い相関がある。

昨年、温暖化危機説を唱えていた気候変動に関する政府間パネル(IPCC、学者のあつまり)が、温暖化データ捏造をしたことが発覚し、報道された。誠意ある 学者はもともとこの狂騒曲で踊らなかったが、インチキさが暴露されてしまったいま、温暖化説の説得力は失われた。(でもなぜか日本の報道はそれを事実として報道したがらない)

ほんとうは寒冷化が恐ろしい。