2012年2月10日金曜日

24時間働けますか?

松本市の中心に昨年末、丸善書店がオープンした。地下階を含め3フロアからなる近隣初、松本初(?)、長野初(?)の大型書店だ。

先日、家内と出かけてみた。久しぶりに都市部の大型書店の香りを味わった。そして4冊本を購入。すかさず横から、家内が言うのだ。 一冊買ったら、一冊捨てる! これじゃ4冊捨てなきゃいけない。

城戸・坂本共著『学者になるか、起業家になるか 理系の未来は明るい』(PHP新書769)という本が面白い。ビジネスのやり方や研究の仕方など、交互に語る内容だが、やはり実績を残している方の言葉は重い。

坂本さんの「1日24時間×週7日、仕事を考えられますか?」の節は、耳が痛い内容であり、いつも考えていたことなので深く納得するしかなかった。ちょっと長けれど引用。

『大企業にいる人がベンチャー企業を興そうと思っても、私が言っているようなことをやる覚悟がないのであれば、今働いている会社に残ったほうが幸せです。
不況の中で独立したら、1日24時間×週7日働くのは当たり前。
それでも独立したてで、すぐには儲からないものです。先行する賢い人が1日24時間×7日もかけて知恵を出し仕事をしているときに、そうでない人が1日8時間×5日で勝負して勝てるはずがありません。』(p.35)


絵を描く場合におきかえて考えれば、四六時中絵のことを考えている夢中な状態のことを示す言葉だろう。自分の表現をどう確立すべきか、どうしたらよりよい表現に到達するのか、あの道具をこうしたらどうかと、いつも工夫している。夢の中まで絵を完成する手段が出てくる。未完の絵のことを寝床でも考える。目が覚めて考えているのか、夢現で考えているのかわからなくなる。そんな状態。

たぶんこういう状態を通過しなければ、満足のいく絵は描けないだろうと思う。いやそれでもなかなか描けないのが厳しい現実。

どの著書に書いてあった言葉か失念したが、とても印象に残っている言葉がある。
 『ゴッホは一日8時間だけ絵を描いて、休日には絵のことを忘れてコーヒーを飲んで休養していたでしょうか?』
 そんなことはないはず。気が狂うほど寝る間も惜しんで絵を描いたとおもう。

休日が必要だとか、一日の労働時間という概念を持ち込むようになったのは、たぶん大多数の人が企業と労働契約を結ぶようになってからだろうと思う。農業をしていても、自営業をしていても必要ならば休日も関係なく働くのであって、ルールがあるからとか管理者がいるから働くわけではなかった。


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